「誘導灯」といえば、不特定多数の人の出入りがある建物には不可欠な設備となるため、宿泊施設や飲食店、物販店のほとんどに設置されています。
今回の特例は、その誘導灯の設置を免れることができるものとなります。
免除となった場合のメリットとして
・設備設置工事から消防機関への届出に係る費用がまったく不要になる。
・用途変更後に半年に1度、消防用設備点検の実施が義務付けられていますが、
誘導灯設備の分この費用が削減できる。 等
ではまず、どのような建物に特例基準が適用できるかというと…
今後、建物全体が一般住宅として使用していた戸建ての家屋を、宿泊施設や飲食店、物販店等に用途変更しようとする建物です。
だいぶ適用できる建物は限定されてしまいますね。
もともとは、変更の対象を「宿泊施設」に限られていたようですが、防火安全性や避難困難性等の観点から宿泊施設に限定する理由がないことから、特例適用の用途を限定しないこととしたようです。
そして、設置を免除できる部分は次のとおりとなります。
「避難階」、「避難階以外の2階以上の階」、「一般住宅にのみ使用する部分」
これらはそれぞれの部分において適用されるものであり、建物すべての部分が全要件を満たす必要はありません。
ここで「避難階」という言葉がでてきますが、こちらは直接地上へ通じる出入口がある階のことです。
一般的には1階となりますが、建物が斜面に建てられている場合等では1階以外の階が避難階になることがあり、建物によっては避難階が複数存在することもあります。
各要件についての内容は次のとおりとなります。
1.避難階
次の3つの条件すべてを満たすもの
①下記ア、イのいずれかに該当すること。
ア 各居室から直接外部に容易に避難できること。
イ 建物の細かい様子や事情がよくわからない人でも各居室から廊下に出れば、
夜間であっても迷うことなく避難口に到達できること等簡明な経路により容易に避難口まで避難できること。
②建物の外に避難した人が、この建物の開口部(出入口等)から3m以内の部分を通らずに
安全な場所へ避難できること。
③建物の従業者が利用者に対して、避難口等の案内を行う、利用者から見やすい位置に避難経路図を
掲示する等により、初めて立入った利用者でも容易に避難口の位置を理解できる措置が講じられていること。
2.避難階以外の2階以上の階
次の3つの条件すべてを満たすこと。
①建物の細かい様子や事情がよくわからない人でも各居室から廊下に出れば、
夜間であっても迷うことなく避難口に到達できること等簡明な経路により容易に避難口(階段)まで避難できること。
②非常用照明器具を廊下等の避難経路に設置することまたは利用者が常時容易に使用できるように
携帯用照明器具を居室内に設置すること等により、夜間の停電時等においても避難経路を視認できること。
③建物の従業者が利用者に対して、避難口等の案内を行う、利用者から見やすい位置に避難経路図を
掲示する等により、初めて立入った利用者でも容易に避難口の位置を理解できる措置が講じられていること。
3.一般住宅にのみ使用する部分
家主の住居としてのみ使用し、宿泊施設、飲食店、物販店等からの避難経路とならない部分。
上記要件を満たしていた場合でも、免除の可否は管轄消防署へ確認をしてください。
また、消防庁ホームページにもリーフレットの掲載があります。
トップ⇒「カテゴリから探す」内の「火災予防」⇒古民家を利用した施設の消防用設備等に関するリーフレット
ぜひご確認をお願いいたします。
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